立志館の小・中学部は、「わかるまで教える」をモットーに着実な学力アップをサポートしています。生徒一人ひとりの個性に合わせ指導を尽くす3名の先生に、教育にかける想いを語ってもらいました。
外戸:愛知出身の私は、小さい頃から“名古屋弁講座”と称してみんなの前で先生の真似事をしたり、弟の家庭教師代わりをしたり、“教える”のが好きな子でした。「おもしろいから勉強したくなる」と褒められるのが嬉しかったんです。
立志館には小6から中3まで通い、大学で非常勤講師として戻ってきたのが、入社のきっかけ。受験体験を振り返ると、夏休みの記憶がないぐらい1日を120%で生きた1年だったと思うし、そこに自分も何か役立てたらという想いがありました。
大谷:ぼくも小学生から立志館に通っていて、小・中学部と並行して、中学入試部にも所属。授業もおもしろくて、休み時間も先生とおしゃべりして…立志館は自分にとって、楽しい思い出しかない場所でした。
高校は、西大和学園へ。合格できたのは、小学生からの塾通いで勉強の習慣付けができたことが大きかったと思っています。何より、ぼく自身が立志館で体験した「分かる楽しさ」を少しでも伝えられる講師になりたいと、この道を選びました。
豊田:ぼくは2人と違って塾とは無縁で。夏休みなんて高校野球の試合ばかりテレビで観たり、絵を描いたり、ずっとゴロゴロしていました(笑)。逆に塾に通って一生懸命勉強している人たちに、絶対に勝ってやるぞと対抗心を燃やしていたぐらい。
ただ、人前で話をするのは好きで、得意分野の方が社会の役に立てる、と塾の先生に。国語を選んだのは、最も将来の実生活に生きるから。文章を論理的に組み立てたり、読解して情報を整理したりする力を鍛えておけば、社会で必ず役立ちますからね。
大谷:確かに数学で学んだ公式が、直接役立つことは少ないですね。でも、解を導くため論理立てていく力などは、どんな職業にも生きると思いますよ!
ちなみにですが、ぼくは工学部出身ながら研究職の道を選ばなかった人間なので、“いつか教え子たちの中から、日本の未来の技術に貢献する研究者が誕生してくれたら”というのが密かな願いです。それが、数学担当に決めた理由のひとつかもしれません。
外戸:それは夢がありますね。そういう楽しみも、講師の仕事の醍醐味でしょうね。英語はこれからさらにスタンダードになる教養です。ほとんどの子が中学を入口に英語を学び始めるので、責任も大きいですし、やりがいも大きいなと思いますね。
豊田:小2・3の低学年については、“勉強の習慣”をつけられるということ。1日1枚のプリントでいいから毎日やる…といったトレーニングを続けることで、勉強の中身というよりは、継続する方法、やり方を身につけられるのがポイントだと思いますね。
大谷:あとは素直なので、吸収力がとんでもないんですよね。
小2・3向けの人気プログラム「立志館ジュニア道場」の子たちも、本人たちにはあまり勉強をしているという感覚はなくて。たぶんお稽古だと思っている節があります。
豊田:そうそう。だから教科の垣根無く、横断的に色んなことにどんどん興味をもって楽しみながら学べるんでしょうね。国語の問題でブラジルという国名が出てきた時なんかは、世界地図や国旗を見せて国のことも勉強したりするんですが…みんな覚えるのが好きだから、次の時には全世界の国名を言えるようになっていたりね。ぼくも知らない国までね(笑)。
外戸:英語でいうと、中学生でほぼ初めて英語に触れた子はどうしても「難しそう」「覚えられるか不安」と構えがち。でもジュニア道場の子たちって、楽しんでいるうちに英語を身につけているから、勉強への苦手意識がいっさいない。学ぶことへの好奇心が持続したまま中学生にあがるので、すんなり知識が入るんだろうなぁと感じています。
豊田:小5・6の高学年については、ゆとりがあるのでじっくり学べる、というのが利点でしょうね。中学生になると、目の前のテスト対策や高校入試対策がメインで、どうしても型にハマった勉強にならざるを得ないんです。結果を出すことが第一ですから。
それに対して、教科書の内容に限ることなく、長期的なプランで、色んなアプローチを用いて繰り返し教えることができるのが小5・6年生の良さ。作文課題ひとつとっても、バトル形式で競わせるとか。講師も自由に個性を発揮できるから、教えていても楽しい。
大谷:高校入試問題やってみる?とかね。因数分解は知らなくても、小学生で習う基本的な計算式を使って解けることもありますからね。その発想を引き出すというか。ぼく自身も中学入試部で高学年から立志館で学んでいましたが、詰め込み型ではない、そういうひらめきの大事さを知れたのはとても良い経験だったと思います。
外戸:自分で道を選び、覚悟を決めて取り組む初めての機会が、高校入試です。まず、親でも私たちでもなく“生徒本人がどうしたいか”の意思を持つことが何より大事。私たちはあくまでアドバイザーであって、最終的には本人が決めるというのを大前提としています。
豊田:ただ一方で、世の中には今、決められない人がたくさんいる。ぼく個人の考えとしては、まずは決めてみて、そこからどうがんばるかだと思っていますが…ベストな選択を求めすぎて、迷い続ける人が増えているように感じますね。そんな時に、色んな可能性や選択肢を提示しながら、納得できる道に導いていくのがぼくたちの役割だと思います。
悩ましいのは、志望校合格圏ギリギリのケース。五分五分の可能性に勝負を賭けるのか、安全圏内の学校に下げて手堅く合格するのか、答えを出すのがすごくむずかしい。
大谷:高い目標を掲げる方が伸びるタイプなのか、プレッシャーがない方がマイペースに勉強を続けられるタイプなのか…生徒さんの心の持ちようにもよりますし、家庭の経済事情なども関わってきますしね。一つの答えというのは、ないんですよね。
豊田:偏差値が○○以上であれば、この学校…というマニュアルは立志館にはありません。学力はもちろん、大学受験や就職もみすえたプランニングが大事なんです。
例えば、公立校を目指すのであれば、1個でも上にこだわったら良いと思います。公立校は通っている生徒が校風をつくるので、学力が高い子が集まっている場にいけば自然と能力も引き上げられますしね。一方で私立校は、学校が主導して方針をコントロールしていきますから、慎重な見極めが重要です。例えば、指定校推薦を狙って余裕圏内の私立に入学したとしても、必ずしも推薦枠が適用されないケースもある。学校側としては、トップクラスの生徒には、さらに上位大学を狙ってほしいからです。
大谷:そのあたりの事情や特性を把握した上で、選択肢を提示できるというのは、地元校のノウハウを蓄えた地域密着型ならではでしょうね。立志館の卒業生から、いろいろ情報を仕入れることもできるのも大きな利点です。
外戸:面談も年3回あるので、親御さんから学校の事情をお聞きできる機会も多いですよね。兄弟姉妹で通ってくださるご家庭も多いので、「お姉ちゃん、学校どう?」なんて進学後の様子も聞くことができる。そうやって情報がどんどん増えていくんですね。
豊田:それと、「立志館は遠慮せず、何でも言いやすい」という親御さんの声もよく聞きますね。対応が親しみやすいというか、人情派が多いというか。
外戸:確かに、アットホームだと思います。明確な指針を示してくださる、尊敬できる上司や先輩が多いんですが、カラオケでは思いきり弾けていたりして(笑)。安心感が生まれるからでしょうか、自分をさらけ出しやすくなる。それを親御さんも感じているのかも。
豊田:「塾なんて行きたくない、辞める!」なんて言っていた子が、少しずつ勉強の楽しさを知って、学年があがるにつれて大人になっていく。それを見た親御さんも嬉しさで思わず涙する。そんな瞬間を、何度も目にしてきました。
もちろん入試で結果を出すのがぼくたちの目指す未来ですが、第一志望にこだわって努力する様子や、きちんとあいさつできるまで成長した姿には心を打たれます。
立志館は、同じ講師が10年、20年と同じ校舎で教えるケースも多く、だからこそ教え子たちの変化に立ち会えるのが、好きなところです。
大谷:志望校の合格ラインにギリギリ届かず「1ランク下げようと思っている」と打ち明けてきた生徒がいました。今まで強い意志を持って取り組んでいたのを見ていたので、「チャレンジしてみないか?」と説得。結果、第一志望校に見事合格し、「先生のアドバイス通り、志望校を下げなくて本当に良かった」と報告を受けた時は嬉しかったです。
一方で、同じような状況で不合格になってしまった生徒がいたんです。成績的には厳しかったですが「どうしても挑戦したい」と第一志望を受験。「それなら先生も一緒にがんばる、やれることは全部やりきろう」と言って、試験にのぞみました。
発表当日は泣いていたのですが、しばらくしてから会った時、すごくいい顔をして「高校でもがんばります」と言ってくれたのが印象に残っていますね。
豊田:もちろん、合格させてあげたかったという気持ちがぼくらとしては1番大きいし、悔しいよね。
大谷:申し訳ない気持ちと、悔しい気持ちが何より大きいです。ただその子からは、「立志館で良かった」という言葉をもらい、そのまま高校部でもがんばってくれていて…。きっと大人になった時にも、やりきった経験が生きるだろうし、挑戦は無駄じゃなかったと思います。
外戸:私は、「英語キライだったけど、先生のおかげで好きになってきた」「受験に向き合う気持ちが生まれてきた」といった言葉をもらうと、自分の介在価値を感じて嬉しくなります。
特に、日頃ムスッとしている男の子のお母さんから、「家では机に向かっていますよ」と聞いたりすると、この仕事を選んで良かったなぁって。毎日の原動力になっていますね。
豊田:高校入試は、避けて通れないもの。自分の実力をイヤというほど突きつけられますが、それが人生の始まりだと思います。合格に向けてどう戦えば勝てるか、何を鍛えるべきか。シビアな戦いの世界に放り出される。でもそれを味わって大人になっていくんですよね。そんな皆さんの成長を、これからもずっと見守っていきたいと思っています。